帰国からちょうど三週間。ここの日記も二十日間にわたるごぶさたであったが、明日、いよいよ上京し、東京での学生生活を再開する。

引っ越しのために、留学前にまとめたさまざまな荷物を段ボールから出し、必要なものと不要なものと分別しているときに、さまざまな大学での思い出と遭遇した。ただ同時に、いままでの４年間とこれからの２年間との間には大きな断絶があると感じた。ふしぎなことに、いままでの４年間で使っていたもののほとんどは、必要と感じることがなかった。これは、いままでの学生生活をふまえて、目的意識がよりはっきりし、いままで学んだことにとらわれることなく、新しい知識をどんどん吸収していきたいという気概の表れである。

とりわけ勉強の「仕方」については、留学中にしっかりと学んだ。大学が提供している学術情報を使いこなせば、相当に質の高い勉強ができるはずである。はずかしながら、今までの４年間ではほとんど使うことがなかった情報源だ。これからの２年間は卒業論文を通じて学部生としての勉強を仕上げることが最大の目標となる。ぜひとも納得のいくものを書きたいと思う。

さて、大学生活は５年目を迎えるが、留学を経て４年間お世話になった校舎と友人は、いまの大学で見る影もなく、待っているのは新築された大きなビルと若い後輩たちばかり。一年のアメリカでの生活の間に、むかし生活していた空間はことごとく消し去られ、まるで浦島太郎のよう。

・・・というのは大げさで、実際にはゼミやサークルの後輩、また、留年している同級生、院に進んだ同級生などなど、まだまだ面倒を見てくれる多くの知り合いが大学にいるので、そんなにさみしい生活を送るわけではない（と思う）。

すでに手帳には多くの人と会う予定が入っており、ありがたい限りである。同時に、夏休みのインターンシップに向けた書類のしめきりもぞくぞくとせまってくる。上京したらのんびりとしているひまはなさそうだ。

医者に通い、先月から患っていたかぜもよくなった。この一ヶ月はとてもよい休養と準備の期間になったと思う。この夏休みは企業へのインターンシップとゼミ合宿が大きなイベントになる。秋からはいよいよ就職活動が始まる。こうしていよいよ終わりが見えてきた学生生活の最後の一こまが始まろうとしている。