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 心理学実験の被験者になる。

今日はちょっとめずらしい経験をした。先日たまたま大学のアルバイト募集の掲示板を見ていたら、「心理学実験の被験者募集」という項目を見つけ、なんだかおもしろそうだったので(あと図書カード500円分という報酬もあったので)応募してみた。そして今日はその実験の日であった。

実験といっても、ただパソコンの画面に表示される文字列を見て、反応時間を測定するという簡単なもので、時間も30分と短い。なお、この実験が対象としている領域は言語心理学で、ことば(単語)と頭の反応(認知)の関係を分析するというような感じの内容のようだった。

実験は全部で二種類。

はじめの実験は、画面に連続して映し出される二つの異なる単語をみて、後者が生物か非生物かを瞬間的に判断して、ボタンを押して返答するというものだった。(うーん、文章で説明するとちょっとわかりにくいです・・・。ちなみに専門的には「プライミング法」と言うそうです。)

たとえば、始めに兄弟と表示され、直後に姉妹と表示された場合、姉妹は生物なので、生物と答え、また、始めに机と表示され、直後にイスと表示されたときは、イスは生物ではないので、非生物と答えることになる。二つの単語の意味に関連性があるときもあれば、まったく関係のないときもある。そして、関係のないときほど、正答するのに時間がかかり、間違える確率も高くなる。実験はこの辺りの効果についての検証を目的としているようだった。(正直、専門的なのでよく目的等については理解していません(^^;;)試行は112回行われ、実験は終了した。

2つ目の実験は、単語の表記形態が読みに及ぼす影響について調べる実験で、画面に表示される文字列が、単語であるか非単語であるかを識別し、その反応の時間を測定するというものだった。

たとえば、画面に「ボタン」と表示されれば単語であるが、「ボクン」となっていれば非単語となる。一見して、「ボタン」と「ボクン」は似ているようにも見えるため、混乱させられる。表記形態の差が単語の認知に影響することはよく経験することだが、その効果について測定するのがこの実験の目的のようだった。実験ではカタカナの単語と漢字の単語が用いられた。全部で164回の試行をくりかえした(これはけっこうしんどかったです(^^::)。

(ちなみにこのデータを数十人?数百人?分集計すると思うと、ほんとうに根気のいる大変な作業だと思います・・・。とはいえ、ある程度実証性に耐えられる実験であるためには被験者の数は確保しなくてはならないため、この作業だけは楽になりえない・・・。ご苦労お察しいたします。)

ちょうど30分の実験を終えて、報酬の図書カード500円分をもらった。

言語心理学というかなりなじみのない分野であったが、意外に普段の生活でよくよく感じていることの検証であったため、なんとなく実験の内容がわかりやすかった。そして改めていろんな専門研究分野があるんだなあということを実感させられた。同じ大学で同じ4年間(5年間)を過ごしてきたにもかかわらず、まったく異なる対象に興味を持ち、どちらもその専門を極めようとしていることもおもしろい。早大生ひとつとってもいろんな人がいることが、ここでまた証明されたようにも思える。ともかく非日常的な興味深い経験であった。

ああ、自分の卒論も書かなくては・・・(来年だけど)

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