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 プレゼンテーションあれこれ。

日本語を学ぶ留学生の授業で、日本語のネイティブスピーカーとして、ボランティアをしていることは前にも書きましたが、今日はその授業の最後の日でした。今日はこれまでの授業でやったプレゼンテーションを振り返り、みなさんの意見や感想を聞きました。

日本語・英語にかかわらず、プレゼンテーションはある種の技術を要します。留学先の大学での授業やこちらの大学のゼミでの経験から感じたことですが、日本語(母国語)だからプレゼンがうまくできるとは限らず、成否はすべて、事前の準備と練習の量とその人の技術にかかっています。究極的には、母国語であるかどうかは関係ないといっても過言ではないでしょう。

(とはいえ、留学中も授業でプレゼンをする機会が何度かありましたが、その準備はそれはそれは大変なものでした。特に現地の学生と自分のプレゼンをもとに議論するなんていうときもありましたが、ありえないほどに極度に緊張しました。本番はカードをめくる手が震えていたほどです・・・。でも、何とか納得のいくものができましたし、他のネイティブの学生と同じ基準で評価をしていただきました。プレゼン自体の成績はB+でした!)

それから、一応プレゼンテーションですから、やっぱり聴衆に「present」することが重要だと思います。プレゼンテーションというのは、ある種のショーのようなもので、個人的には手元に原稿があったり、その原稿を棒読みしているようでは、やっぱりそのプレゼン自体の評価は低くなるといわざるを得ないと思います。で、日本語の授業でも、折に触れてこのことを指摘してきました。

今日もそのことに触れたら、とある学生から「やっぱり原稿がないとだめだったよー」と言われました。(先生が毎回のプレゼンテーションを録音してくれているので、あとで振り返ることができるのです。)聞いてみると、二回チャンスがあったうち、始めは原稿なしで、二回目は原稿ありでやったところ、原稿なしのときは発音や文法がかなり乱れていたらしく、本人曰く聞くに堪えなかったとのこと。対して、原稿ありでやったときの発音や文法はかなりよく、彼の中ではやっぱり原稿が必要だとの、結論に達したそうです。

ここで、いくつかの議論がありえます。

まず、プレゼンテーションにおいては、先ほども述べたように、最終的には自分の思いを聴衆に「present」することが目標であるから、発音や文法事項については、特にこだわる必要はないし、事実特に問題はなかったので、この意味では、すでにプレゼンテーションの目的を達していると考えることができる、と言えそうです。ここで原稿の有無は問題ではないですね。しかしながら、まー、確かに究極的には発音や文法はどっちでもいいのですが、やっぱり語学の学習者として、それはどうしても気にせざるを得ないところであって、こだわってしまうのは仕方ないかなあと思います。

次に、発音や文法のためには原稿があったほうがいいかどうか、というところです。これはやはり、発音や文法を重視するのであれば、原稿があったほうがいいでしょう。もっとも、先の私の留学先でのプレゼンテーションでは、相当に練習を重ねたこともあり、元になる原稿はありましたが、結局本番は手元に置いたまま、参照することはありませんでした。ちなみに、そのときは要点をまとめたカードを手元において、随時ちら見をしながらプレゼンを進めました。発音に関しては、お友だちに事前にチェックをしてもらい、許容範囲内でちゃんと発音ができているかどうか、直してもらいました。(とはいえ、流暢であったかというと、決してそうではなく、あくまで、聞き取れる範囲内のものであったと思います。)

原稿があったほうが発音が正確になるかどうか、といえば、やはり原稿があれば書いてあるものを読むだけですから、イントネーションも落ち着くでしょうし、その意味では発音も多少なりとも良いものになるでしょう。しかし、反対に原稿を見たからといって、発音やイントネーションがよくなるかといったら、逆は真ではなく、できない人はできないまま、原稿を読み続けることになるのが、残念ながら、現状です。やはり発音やイントネーションは普段からの心がけと努力が、最終的にいざというときにはものをいうのです。

まあ、個人的な好みも最終的にはあるんでしょうが、やっぱり原稿のない、かつ、流暢で内容のあるプレゼンテーションが理想的ですね。そのために、準備にしっかり時間をかけること、何度も練習すること、それが結局のところ、一番重要なんだと思います。

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