いよいよやってきた出発の日。すべての手続きと準備は遅滞なく終えた。夢に向かっての第一歩をついにふみだす。それでもやはり、親しい人と、家族と、もうしばらくは会うことができないと思うと、涙が止まらなかった。実り多き、そして長い長い一年が始まろうとしている。

飛行機が離陸しても、しばらくはあれこれ思い出しては涙、涙をくり返していた。本を読んだり、寝たり、ぼーっとしたり・・・だんだんとそれがおさまってくるころには、長い10時間あまりのフライトが終わろうとしていた。

大きく新しいMinneapolis-St.Paul International Airportで、先月から始まった指紋と顔写真の電子認証による入国手続きを済ませ、飛行機を乗り換える。約3時間の待ち時間はずっと本を読んでいた。

日本時間は17日の未明。こちらは16日の午後。きつい時差ぼけに悩まされつつも、1時間の短いフライトののちに、ついにCedar Rapidsに到着した。だだっ広い農地に囲まれたちいさな空港だ。イメージしていたとおりのアメリカの田舎だった。

空港には大学のプログラム担当者Joanneが迎えにきてくれていて、そのまま大学へ連れて行ってくれた。Wendy'sの大きなハンバーガーを晩ごはんにしながら、簡単なオリエンテーションをうけた。寮のルームメートはBrian。

まったく新しいところから始まる生活も、親切にしてくれる彼らと話しているうちに、やっていく自信がでてきた。別れのつらさも乗り越えられるような気がした。

気がかりなのは、Brianの荷物の多さだが（それでも彼は多くないと主張しているが）、もっともっとBrianや他の学生とたくさん話をしたいと感じている。英語の勉強しかすることがない環境だからこそ、がんばりたい。