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 ビザの申請。

今日はアメリカ大使館へビザの申請に行った。日本でアメリカのビザを取るためには、たくさんの書類をそろえ、面接を予約し、大使館に出向かなくてはならない。忘れないうちに、そして今後のために、また、留学のための情報提供という意味もこめて、この手続きについて記しておきたいと思う。

ビザには大きく分けて、「移民ビザ」と「非移民ビザ」のふたつの種類がある。私の申請したのは、もちろん「非移民ビザ」である。これは、留学だけでなく、観光や商用・就労、報道等のために合衆国に渡航する人のためのビザである。(なお、留学ビザについては「F1」と「M1」という二つのビザがあるが、これは留学先が発行する留学許可証の滞在資格によって異なる。私は「F1」である。以下は、留学のための手続きについてのみ述べる。)

ビザを申請するためにそろえる書類はたくさんある。また、記入項目が多いものもあり、けっこう複雑である。それだけでなく、記入漏れや書類不備が少しでもあったりすると、受けつけてもらえない。すべてやりなおしである。準備する書類の詳細については、すべて大使館のホームページで確認することができる。
私の場合は、パスポート、3種類のビザ申請書(DS156、DS157、DS158)、現在の大学の成績証明書(英文)、留学先の大学の留学許可証、財政証明書(銀行の残高証明書。英文)、申請料金(100ドル。7月は10900円。)の領収書(振込票可)、5センチ×5センチの顔写真、クリアファイルと切手を貼った返信用封筒、これらをすべて準備した。
ビザの申請書は大使館のホームページからダウンロードし、手書きで記入するもの(DS157、DS158)と、オンラインで直接入力し、PDFファイル化されたものを印刷して提出するもの(DS156)がある。自分の姓名、出生地、生年月日といった基本的なプロフィールから、現住所・電話番号と家族の姓名と連絡先、友だちの連絡先、学歴・職歴、犯罪歴、渡航歴、留学先の連絡先など、とにかく正確に、かつ詳細に記入しなくてはならない。旅行代理店の人が書いても1時間半から2時間は要するという。私もきちんと下書きをして清書した。同じ内容を何度も記入しなくてはならないこともあり、非常に面倒であった。

これらの書類をそろえて郵送すればよい、という話なら簡単だが、アメリカの場合はさらに大使館まで行って、面接を受けなくてはならない。面接も大使館のホームページから予約する。面接の時間は選ぶことができるが、あまり重要で内容に思われた。いつの時間に予約しても、早めに行って待たなければならないということに変わりはないように感じた。(便宜上、面接時間を予約するようにしているだけかもしれない。私の場合は10時15分に予約をしたが、1時間前には大使館についていた。それでもかなり待たされ、実際に面接を受けたのは11時45分だった。)
はじめは面接と聞いて、正直かなりびびっていたが、先にビザを申請していた友だちの話によれば、いわゆる面接などというものはなく、書類さえきちんとしていれば大丈夫、ということだったので、わりと楽に考えていた。ただ、待ち時間だけがとてつもなく長い、ということだった。

朝九時過ぎ、アメリカ大使館へ着いた。東京・赤坂という都心の一等地に、大きなビルがそびえていた。そして、ものものしいほどの警備体制。大使館入り口には何人もの警官が立ち、警察の警備用車両が2台と関係車両が数台、常駐していた。業務用の車両が大使館に入るときは、担当の警官に検査を受ける。ボンネットをあけ、トランクをあけ、さらに鏡で車両の下を、それぞれチェックする。このチェックに合格すると、バリケードで厳重に守られた門が開く。すべてテロ対策だ。
ビザを申請する人が大使館に入るためには、荷物の検査を受けなくてはならない。空港の荷物検査とほとんど同様の検査である。すでに大使館に着いたときから、入り口から敷地の塀に沿って長蛇の列ができており、その検査を受けるだけで1時間待った。ここで2時間待ったという人の話も聞いた。

次に中に入ると、書類のチェックを受ける。すべての書類がそろっていると、ふたたび荷物検査である。ここでも入り口で行われた検査と同様の検査を受けなくてはならない。携帯電話等の電子機器や、はさみ等の危険物は、大使館の中に持ち込むことができないので、ここで預けることになる。(なお携帯電話は電源を切らなくてはならない。)まったく厳重な検査である。

そうして、ようやくビザ申請のための待合室に入ることができる。ここでも大量の人が自分の名前を呼ばれるのを待っていた。窓口への呼び出しを受けるまで、ひたすら待たなくてはならない。
はじめはすずしかった冷房が、寒く感じられるようになり、いつまで続くかわからない待ち時間にいらいらし、眠気さえもよおすようになってきた頃、ようやく自分の名前が呼ばれた。約1時間待った。私の場合は、特に書類に不備がなかっため、ビザの発行は仮決定である旨を伝える文書を手渡された。だいたい2週間で届けられるという。特に面接のようなものはなく、銀行の窓口のようなところで一枚の紙を受け取っただけであった。
ともあれ、ぶじに手続きを終えた。この一枚の紙をもらうために、ほぼ半日かかった。(ちなみに、待ち時間はずっと新聞を読んだり勉強したりしていた。)

用心に用心を重ねたテロ対策に緊張感を、そして面倒で煩雑なビザの発行手続きに少しのいらだちを覚えたが、これもアメリカという国の現在の国際社会の中での立場(とりわけ反感を持っている人も多いということ)を考えれば、大使館の警備を万全に整え、さらに出入国の管理をも徹底しなくてはならないことにも、うなずける。しかし、なんともなんとも面倒なので、学生でなくて忙しい、そして余裕のある方は旅行代理店に代理申請をしてもらうことをおすすめしたいと思う。

いよいよ留学まであと一ヶ月あまり。着々とその手続きと準備が進んでいく。

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