« ブラインドタッチ、できますか? | そつろんが・・・。 »

 ふたつの忘れもの。

先日、大学のパソコンルームに白い紙袋に入った体育館シューズとハーフパンツを忘れてしまいました。

通常、大学の校舎における忘れ物は、忘れ物をした当日はその校舎の防災センターに預けられ、翌日以降に学生会館にある学生生活課に引き渡されることになっています。所有者がわからないことが理由だとは思いますが、特別に誰のものか調べて本人に連絡するということはないみたいです。ただ、財布など貴重品は即防災センターではなく学部事務所に引き渡され、すぐに本人に連絡が行くことになっている(んだと思います。<経験済み>)

で、今回の場合、こうした上記のような手続きがふまれることが予めわかっていたこともあり、数日遅れて問い合わせに行きました。まず、念のため防災センターへ。すると案の定、学生生活課に行くように言われ、そのまま学生生活課へ。忘れ物について話すと、しばらくして難なく出してもらうことができました。

めでたしめでたし☆

というわけですが、実は数ヶ月前に、同じパソコンルームで腕時計をなくしていました。冬だったか春先だったか、いつかの時期の就職活動中に、同じように大学のパソコンルームで、リラックスするために時計をはずし、机の上に置き、そのまま忘れて帰ってしまったんですね。今回、ついでに時計についても調べてもらいました。

時計についても、上記のような手続きがとられることは知っていたんですけど、なんだかんだいろいろ面倒くさくて、結局今日までとりに行かなかったんですね。そのまますでにもう半年が経過w

学生生活課の窓口さんのお話によると、保管期間は6ヶ月とのことで、ぶっちゃけ微妙・・・。だいたいいつなくしたか覚えてないし、そもそもなさそうな可能性大。でも一応だめもとで、お願いしてみると、しばらくしてどっさりと時計が入ったビニール袋を持ってきてくれた・・・!

袋をひっくりかえしてみると、高そうなものからおもちゃのようなものまで、ありとあらゆる時計が出てきました。ぱっと見、自分のはなさそうだなあと思いました(というのも、自分のものは外見が特殊なのですぐわかるのです)が、とりあえず、ひとつひとつ確かめてみることにしました。

だいたい見終わったころ、やっぱりだめかなぁとあきらめ加減になっていたそのとき、なんと・・・「あ、あった!」

というわけで、こちらも無事に再会することができました。書類を見てみると、紛失日は5月9日。厳密には6ヶ月以上過ぎていますが、まぁその辺は弾力的に運用しているのでしょう。いっときは新調しようと思っていた時計、ここで再会することができて本当によかったです。バンドを替えるだけで済みそうです。何より感動したのは、なくしたとき以来、ずっと時計が動き続けていたこと。遅れもありませんでした。

めでたしめでたし☆

ところで、ゼミの先輩が遺失物法の改正に関わっているそうで、現行では6ヶ月間保管される遺失物が、改正後は3ヶ月間に短縮されるそうです。まあ日々大量に出る落し物・忘れものの保管場所を考えれば、場所も足りないでしょうし、そもそも6ヶ月保管することの合理的根拠も乏しいような気もしますし、3ヶ月になったところでとりたてて何も変化はないんだろうと思います。

私が今回、時計をずっと放置しっぱなしにしたのは、問い合わせが面倒だったということに加えて、まあまちがいなく大学にあるだろう、そしてしばらくは保管してくれるだろうという確証があったことも大きな理由です。今回の場合、そもそも私は保管期間が6ヶ月であったことを知りませんでしたが、おそらく知っていたら、そしてもしこれが3ヶ月だったら、なくしてから比較的早い段階で、問い合わせに行っていたことと思います。大学にあるという確証があるからです。こうした確証とか安心感は、この大学というある程度限定された空間だからこそ、感じられるものでしょう。

外の世界では(例えば電車で物をなくしたとか)3ヶ月であろうと6ヶ月であろうと、そもそもその「もの」が遺失物保管所にあるのか、まったく知らない誰かさんの手中にあるのかはわからない(確証がない)わけですから、その意味では取りに行くことそれ自体へのモチベーションが低くなります。だいたい問い合わせても出てこないことが大半ですし。警察でもその他飲み屋とか鉄道会社とか、どこでも似たような感じだと思います。いずれにしても、「もの」をなくした人にとって、期間を短くすることは、心境の変化にさほど大きな影響を与えないだろうと思います。「どうせ出てこない」確証のほうが強いからですね。確かに大学でも、まったく知らない誰かさんの手中に自分の「もの」がわたる可能性はありますが、一般大学生(あるいは早稲田の学生)に対する信頼のほうが、外の世界よりも高いと(私は)考えますので、自分の「もの」が取り戻せる確証も高くなります。

以上のように考えると、遺失物の保管期限については、別に何ヶ月にしようと関係ない、という結論すら暴論でないように思えてきます。3ヶ月という線引きそれ自体も謎といえば、謎です。私が思うに、保管期限それ自体は1ヶ月程度で十分ではないかと思います。1ヶ月くらいならなくした「もの」に対するあきらめがつかず、取り戻したい欲求が持続しているでしょうし、なくした「もの」のせいで生活に不便している状況も継続していると考えられます。それが次第に時がたつにつれて、不便さになれ、もしくはなくした「もの」の代替品を新調するなどして、なくした「もの」に対するこだわりもうすれていきます。そのうち「もの」をなくしたことすら忘れてしまう時期も来るでしょう。適度に短いほうが事務的な手間も軽減されていいんじゃないでしょうか、と考えてしまいます。実際のところ、どうなんでしょうか。

しかし、先週、このタイミングでパソコン室に紙袋を忘れなければ、学生生活課を訪れることもなかったでしょうし、おそらく近々時計を新調していたことでしょう。あらゆる意味でまったく偶然の再会ということでした。縁を感じますね。末永くお付き合いしたいものです(^^)v

コメントを投稿